ISEKADO、島津製作所と共同開発したクラフトビールを限定発売！

2024-01-26

「伊勢角屋麦酒」を製造するISEKADO（三重県伊勢市）は2024年1月23日（火）、分析計測機器メーカーの島津製作所と共同開発したクラフトビール「香調（こうちょう） BREWED ON SCIENCE by ISEKADO and SHIMADZU Innovation 1」を、限定1,000本で発売しました。

ソフトウェアで香り成分を特定

分析装置による科学的データに基づいた研究開発を進めているというISEKADOは、島津製作所と2018年からビールの成分の網羅解析などを共同で取り組んできたそう。今回はその分析結果を用いて、原料と醸造工程を調整することで安定的な発酵に成功し、特徴的な香りを生かしつつ、ドライさとバランスを感じられる味わいのビールを生み出したとのことです。

食品・飲料の味や香りなどの研究開発や品質管理には、人の感覚による官能評価とともに、液体クロマトグラフ質量分析計（LC-MS）、ガスクロマトグラフ（GC）、ガスクロマトグラフ質量分析計（GC-MS）などの機器分析が主流になっているそう。今回、島津製作所とISEKADOは、原料や醸造を同じ条件にした酵母4種類を使ったビールの香り成分と代謝成分を、島津製作所のLC-MSとGC-MSで分析したとしています。

「香調」に使用している「BOKE酵母」は、旧新橋停車付近の木瓜（ぼけ）の実から採取したもので、一般的なビールの商用酵母に比べて独特な香りを生み出すものの、発酵が不安定な野生酵母だそう。これに対し、今回の開発では香り成分の化合物情報と官能情報を比較できるGC-MS用ソフトウェア「Smart Aroma Database」を使い、スパイシーな香りを醸し出す「4-Vinylguaiacol（※）」という成分を特定。また、LC-MSとGC-MSを活用した代謝物を網羅的に測定するメタボロミクスという技術で、ビール中のアミノ酸や糖を分析したとしています。

※ 4-ビニルグアイアコール。アルコール類に含まれる香り成分の1種。化学式はC₉H₁₀O₂

「香調 BREWED ON SCIENCE by ISEKADO and SHIMADZU Innovation 1」概要