ヤッホーブルーイングの開発意図は？ 飲みづらいビアグラス登場

2024-07-28

ヤッホーブルーイング（長野県軽井沢町）は2024年7月16日（火）、適正飲酒に対する関心の高まりなどを受け、ビールが少しずつしか流れてこない形にして、“あえて飲みづらくした”というグラス「ゆっくりビアグラス」の抽選販売等を開始しました。

適性飲酒のカギは飲むペース

ヤッホーブルーイングが7月1日（月）～2日（火）、インターネットで20歳～69歳の日本人1,099人を対象に行った「適正飲酒に関する意識調査」によると、お酒飲用者の約半数近くがお酒を飲み過ぎてしまった経験があり、特に外食で飲み過ぎてしまう傾向が高いことが明らかになったそう。

その理由は、「人と一緒に飲むと、ついつい飲むペースが上がってしまう」「すぐに飲み干してしまう」といった回答が多く、飲みすぎの主な原因として「飲むペース」があると考えられるとのこと。これに対し、心がけている適正飲酒のアプローチとしては「意識してゆっくりと飲む」との回答も多く、『実際にお酒を飲むシーンでは「量を制限する」だけでなく、ゆっくり飲むということが適正飲酒に効果的であることが認識されている』としています。

くびれで“理想の飲みづらさ”追求

そうした課題認識をベースに、ビール消費が増える夏本番、“お酒をゆっくり飲む”という飲み方を提案すべく開発したのが今回の「ゆっくりビアグラス」です。砂が流れ落ちることで時を刻む砂時計をモチーフとして、グラス中央にくびれをつくり流れ出るビールの量を制限することで、ゆっくり飲むことにつなげるというこのグラス。上部はワイングラスのように湾曲した構造でビールの香りも楽しめ、350ml缶1本分を注ぐことができるそうです。

今回のグラス製造は、日本初となるガラス専門の芸術・工芸・造形技術教育機関でもある、東京ガラス工芸研究所（東京都大田区）と共同で行ったそう。製作は職人2名による手作業で行われており、試作段階ではくびれ部分をミリ単位で調整した6種類の試作グラスを制作。飲み比べを行い、香り・味わいや「理想の飲みづらさ」を追求したとのことです。

今回の「ゆっくりビアグラス」を体験した16名に「飲みづらさ」について聞いたところ、93.8％が「飲みづらい」と回答したうえで、以下の様々な感想があったとのことです。

「いつもは飲み込む感じがしたけど、口の中での滞留時間が長かった。味がいつもよりする気がした。（女性）」
「自分はお酒に強くない。ゆっくり飲んだから、アルコールが回るのが遅かった。この飲む速度が適正なのかもしれない。（男性）」
「ずっとちょびちょび飲めるから飲み過ぎなくていい。少量で満足感を得られる。（女性）」
「今日、お酒セーブしたいときにちょうどいい。入ってくる量はちょうど良かった。（男性）」

抽選販売＆都内ビアバーで提供スタート

本商品は7月16日（火）、ヤッホーブルーイング公式通販サイト「よなよなの里（本店）」にて限定10個を9,800円（税込）で抽選販売がスタートしました。応募期間は8月16日（金）23：59まで。7月25日（木）9:00時点で応募者数が2,107件（！）と想定を大幅に超えていることから、同社では現在増産を検討しているとのことです。

また、「よなよなエール」の公式ビアレストラン「YONA YONA BEER WORKS 新虎通り店」では7月16日（火）から、東京都中野区のビアバー「麦酒大学」では7月28日（日）から、「ゆっくりビアグラス」を使ったビール提供もスタート。「YONA YONA BEER WORKS 新虎通り店」では9月30日（月）まで、「麦酒大学」では8月3日（土）の期間限定で提供予定となっています。

「ゆっくりビアグラス」抽選販売概要